これからフランチャイズで清掃業を始めようと思った場合、当然諸々の初期費用がかかります。
時々、初期費用0円!とか、10万円~OK!のような非常に低額なFCの募集広告を見かけますが、避けたほうが無難です。必ずなにかウラがあるはずです。
そういうところは、FC本部はほとんど何もしてくれず、結局「安物買いの銭失い」になる可能性が高いからです。
ただ最近のフランチャイズ募集広告を見ても、正直いってぼくも「よくわからない…」
各社パッと見の金額をできるだけ安く抑えようとしているのか、「最低50万円からスタートできます!」みたいに、加盟金の金額しか表示していなかったりするからです。顧客紹介料や研修費、広告費がどこにも記載されていない…
先日、あるFCにHPの問い合わせフォームから詳細確認を試みたことがあるのですが、「詳しくは説明会で…」みたいな返答で、結局わかりませんでした。
実際の初期費用の内訳や総額はシークレットにして、説明会に来てくれた人にだけ説明する、というスタイルをとっている会社が多いようです。
そこでここでは、ひとつの目安となるよう、実際にぼくが加盟するときに支払った初期費用のリアルな金額をお伝えしたいと思います。
>>初期費用の内訳
参考に、ぼくが加盟したときのリアルな内訳を暴露します
FC本部に知られたらあまりいい顔はされないと思うので、ここでは具体的なFC名は出しません。顔出しもできません(笑)。ただ5年近く前の情報なので参考程度にとどめておいてください。
・加盟金:55万円
・研修費用:22万円
・ベーシックパック:66万円
・顧客紹介料(設定月額60万円):330万円
合計:473万円(税込)
です。なかなかの金額ですよねー(笑)
ひとつずつ解説します。
>>加盟金とは
これは毎月継続して支払うロイヤリティとは異なり、初回に一回だけ支払うコストで、入会金みたいなものです。
意味合いとしては、本部の屋号や商標・ブランド・ロゴマークなどの使用権、確立された運営ノウハウ(マニュアル)の提供ということです。たとえばロゴマークは、ユニフォームや名刺、報告書、車のステッカーなどに使われます。
>>研修費用とは
清掃業の場合、加盟希望者の90%以上が未経験者なので、各社初期研修はそれなりに充実しています。といっても、座学で覚えるべきことは、汚れの種類やそれを落とすために必要な洗剤の成分、床材や素材別の汚れの落し方・使うべき清掃道具、床材別の使うべき洗剤・使っちゃダメな洗剤、などです。
たとえば、
「トイレやキッチンまわりに石灰化してこびりついたスケールはアルカリ性なので酸性洗剤を使いましょう!」
「汚れの大部分は油脂系の酸性汚れだから、迷ったら取りあえずアルカリ系洗剤を使いましょう!」
「ステンレスは研磨剤入りのパッドでこするとキズだらけになるので、樹脂系研磨剤入りのパッドを使いましょう!」
みたいな基礎知識です。
あとはマンションとかの定期清掃でよく使う、ポリッシャーを実際に使ってみよう、ということで講師のお手本を見た後、ひとりづつ実際に運転して洗浄したりします。
ちなみにこのポリッシャー、めちゃくちゃ重たくてちゃんとしたやつだと30キロくらいあります。床面をこの重さで押さえつけて洗浄するので仕方ないのですが…
しかも慣れないと思い通りに動いてくれず、あっちいったりこっちいったり最悪カベに激突します(笑)
ぼくの所属するFCでは、まず事務所内でひとりづつ試しに床洗浄して、後日実地研修ということで比較的大きなマンションへ行って、実際にみんなで定期清掃のお手伝いをします。

ちなみにぼくは、最初のころは定期清掃をやっていましたが、いまはやっていません。定期清掃は時間がかかるので、週末にやることが多かったのですが、ぼくは一人暮らしをしている母親がケガをして入院したのをきっかけにやめました。
週末、母親のところへ行って諸々介助することが増えたからです。現在88歳で、しかもEVのない階段だけの団地住まいなので、いまでも手伝いに行っています。
そんなこんなで、1ヶ月弱くらい研修があります。途中、要所要所で小テストがあり、最後に卒業テストみたいなのがあって修了します。その後、各自割り当てられた物件情報を確認して、翌月からFC本部社員同行でいよいよ本番です。
>>ベーシックパック(スターターキット)とは
これは有無をいわさず買わされる清掃道具や洗剤一式です。
最初はよくわからないので、
「ふーん、こういうのも必要なのね」
と思って取りあえず保管するも、いつまでたっても日の目を見る日がこない…
「やっぱ、これいらなくない?」
そういうものも混ざっていたりするので困りものです。
ただ担当している物件によっては必要だったりもするので、ぼくは必要な人に売ったり、それこそメルカリで売ったこともあります。
ぼくがいちばんいらないと感じたもの2選
①カーペット用バキュームクリーナー:ホテルなど広範囲のカーペットを洗浄・吸引するときに使う。
②折り畳みダストカート:病院や学校など大型施設で移動しながら清掃するときに清掃道具入れとして使う。
やはり「こんなものいらない」という声が多かったようで、現在は別のものに変更されたようです。
担当する物件によって必要となる清掃道具は若干異なるので、本部が用意するベーシックパックの清掃道具は最小限にとどめて、そのほかで必要なものは自分で購入するようにして欲しいのですが…仕入れ先から特価の条件として最低購入金額が決められているのかもしれません。
その他、ぼくのように定期清掃(床洗浄)をやらない人にとっては、ポリッシャー、高圧洗浄機、水用バキュームも必要ありません。なのでぼくは、同じFC内の別のオーナーに買い取ってもらいました。
ちなみにFCによっては、最初から「定期清掃なしコース」もあるようなので、体力に自信がない人はそういうコースを選ぶのもいいかもしれません。
定期清掃をやらないと稼げないのでは?という人がいますが大丈夫です。ぼくも今では、定期清掃なしで月100万円は稼げてますので…
その他、ベーシックパックは大小合わせると全部で80以上のアイテムがあるので、ここですべては紹介できませんが、たとえば、ほうき、ちりとり、脚立、ハンディクリーナー、デッキブラシ、窓用ウォッシャー・スクイジー、各種モップ、清掃中看板、洗剤11種類、などがあります。
>>顧客紹介料とは
これは『売上保証』の仕組みがあるフランチャイズ特有のコストです。
どんな業種でも、独立・開業して最初に直面するカベは集客です。一般的には、最初はお客さんゼロからスタートして、広告・宣伝・営業しながらお客さんを増やし、1年くらいかけてようやく黒字化のめどが立つというのがよくあるパターンではないでしょうか?
ところがこの売上保証というのは、FC本部の営業マンがネット集客はもちろん、テレアポや飛込み営業を日々行いながら受注し、その物件を各オーナーへ紹介するという画期的な仕組みなのです。
そのため、FCオーナーは自分では一切集客しなくても物件を次々と紹介してもらえるので、初月から仕事がなくて困るということがないのです。これはぼくだけでなく、多くの人が加盟を決意した理由のひとつになっています。
もちろんタダではありません。ぼくが所属するFCでは、希望月収x5ヶ月分を先に支払うシステムです。ぼくは当初の希望月収は60万円だったので、60万円x5ヶ月=300万円(税込330万円)を顧客紹介料として支払いました。(その後も少しずつ増やし続け月100万円達成)ちなみに他の清掃FCでは、希望月収x6ヶ月分となっているところもあります。
ぼくの場合、税込330万円+初期費用143万円=473万円が初期費用でした。ぼくは前職の退職金を充当して一括で支払いましたが、半数以上の人はローンを利用するようです。日本政策金融公庫の創業融資や、FC本部独自の低利のローンが用意されているケースも多いので、ローンを利用する予定の人は説明会でよく聞いてみるといいと思います。

ちなみに仕事用の車は、ふだん乗っている車があればそれをそのまま使うこともできますが、ぼくは持っていなかったので、急遽中古車を購入しました。なのでこれも、FCとは直接関係はありませんが初期費用になります。
車はスズキのエブリイワゴンで、車体40万円+オプション・車検・諸経費で約60万円でした。FCによっては車を指定されて100万円以上かかるケースもあるようです。
>>広告費(広告分担金・開業前販促費)
ぼくの所属するFCでは、初期費用に広告費は含まれておらず、毎月の売上から引かれるロイヤリティ等の金額に含まれます。金額は売上の3%です。
ただFCによっては、初期費用に広告費(広告分担金・開業前販促費)が含まれているケースもあります。『売上保証』の顧客紹介料と比較すると、広告費がかかっても初期費用の総額は安く抑えられますが注意が必要です。
これは清掃業界隈では、ハウスクリーニングなど全国展開しているフランチャイズに多いと思うのですが…
「ネットや雑誌、チラシなど様々なメディアに広告を出しているので、毎日さばききれないくらい多くの問い合わせや引き合いがある」
といって、あたかも顧客獲得には困らない、むしろFCオーナーが足りないくらいだ、といわんばかりの説明だったのに、いざ加盟してスタートしても全然お客さんを紹介してもらえない、という話しを聞いたことがあります。
どういうことかというと、実際本部には毎日、全国から多くの問い合わせがあって、それを各FCオーナーに振り分けるのに大忙し。といっても、あくまで全国の話しなので、自分のエリアにはほとんど紹介がない。
結局、自分でホームページやSNSを立ち上げたり、チラシをポスティングして集客する羽目に…
しかも日常清掃とちがって継続契約ではないので、案件獲得のためにずーと集客し続ける必要があります。
このように広告だけにたよっているフランチャイズを検討する場合は、
「具体的に1日何件の問い合わせがあるのか?」
「自分のエリア内に競合するFCオーナーはいくつあるのか?」
「FC本部経由で自分のエリア内のFCオーナーに紹介した案件数は月平均1人何件か?」
等々、しつこく確認したほうがいいと思います。

仮に本部に1日30件の問い合わせがあり、そのうち半分の15件が受注になったとしても、全国で考えれば46都道府県あるので、確率的には自分の住んでいる都道府県は3日に1件程度しか紹介がない計算です。
自分の住んでいる都道府県といっても自分が対応できるエリアはもっと狭い範囲でしょうし、同じエリア内に競合する複数のオーナーがすでにいる場合もあります。そうなると、実際自分に回ってくるのはせいぜい月1~3件がいいところ。多く見積もって1件3万円で計算しても月10万円にも届きません。
このように
「FC本部が毎日、全国に広告を出して集客しているので大丈夫」
という言葉はあてになりません。
「いやー、本部にはひっきりなしに問い合わせがあって、大忙しなんですけどねー」
とごまかされるのは目に見えています。
その点『売上保証』の場合、契約書にも記載されており不確定要素がほとんどないため、短期間に安定して稼げるようになります。ではなぜ、売上保証ではなく広告型のFCを選ぶ人が多いのか?それは単純に金額が安いからです。
たとえばハウスクリーニングメインの某FCの場合、初期費用のうち広告費(開業前販促費)は約30万円です。一方、『売上保証』の顧客紹介料は希望月収60万円だと300~360万円になるので10倍以上です。なのでみんな、つい安い広告費のほうへ行ってしまうのですが、これが大間違いなのです。
広告費を払ったからといってFC本部側にオーナーの売上を保証する義務はありません。一方、『売上保証』の方は期間内に希望売上(月収)を達成できなければFC本部側の契約違反になります。
この差はとてつもなく大きいのです。

